電力補助金が12月で終了!その影響と復旧の見込みは?
毎月の電気料金の請求に直面したとき、家計への負担を減らすにはどうすればいいのだろう?

電気代の補助が10月で終了!どれくらい影響があるのか、復活の見込みはあるのか

ロシアのウクライナ侵攻の影響で燃料価格の高騰に端を発した「電気代の補助事業」がついに終了しました。2023年1月の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に始まり、今年の5月から「酷暑乗り切り緊急支援」として電気料金の補助を続けてきました。
その補助事業が2024年10月使用分を最後に支援事業を終了しました。
約2年ほど続けてきた電気代・ガス代の補助事業がついに終了した影響と今後復活の見通しについて解説します。


酷暑乗り切り緊急支援の導入背景について

酷暑乗り切り緊急支援とは、物価水準が高止まりする中で、家庭や企業を支援する経済対策のうちの1つで、電気代と都市ガス料金を補助する施策です。

契約プランに関わらず、特別高圧契約を除くすべての利用者が値引きを受けることができ、電力会社と契約していれば、法人、個人問わず低圧から高圧受電まで契約している方が使用量に応じて値引きを受けることができました。

電気代はどれくらい補助されていたのか

2024年8月、9月の使用分は、主に家庭向けの低圧電力で契約されている場合、支援金額は1kWhあたり4.0円。主に企業向けの高圧電力で契約されている場合は、1kWhあたり3.5円の補助金額となります。都市ガスは1m3あたり17.5円の補助金額となります。

2024年10月使用分は、主に家庭向けの低圧電力で契約されている場合、支援金額は1kWhあたり2.5円。主に企業向けの高圧電力で契約されている場合は、1kWhあたり1.3円の補助金額となります。都市ガスは1m3あたり10.0円の補助金額となります。

以下の表では、今までの「電気・ガス激変緩和事業」「酷暑乗り切り緊急支援策」での支援金額をまとめています。

値引き額については、ご契約のプランによっては、値引き金額が異なる場合があります。詳細については、各社HP等をご参照ください。

家計には◯,◯◯◯円の影響

電気代の補助がなくなったことで、家計にはどれくらいの影響があるのでしょうか?

各家庭や企業の値引き額は、それぞれの使用量によって異なります。詳細な金額については、月々のご利用明細や検針表などに記載されている「当該月の使用量(電気の場合はkWh、都市ガスの場合はm3)」と値引き単価を掛け算することで算出することができます。

日本における一般的な世帯構成別の月平均電気使用量の目安は以下の通りです。それぞれの世帯別平均使用量に応じた補助額についても併せて記載しています。

2024年8,9月使用分までの補助額

2024年10月使用分までの補助額

以上のように補助事業の終了による影響は、10月使用分と比べると1人暮らしでは500円前後、4人暮らしでは1000円程の負担額の増加が予想されます。

電気使用量は季節によっても変動します。特に夏や冬は冷暖房の使用により、1.1倍から1.4倍の範囲で変動することが多いです。常時エアコンを使用する場合は1.5倍以上になることもあります。

電気代の削減には、電力会社の切り替えが有効な対策の1つです。生活スタイルに合った電力会社を選ぶことが選定のポイントです。

電気代はどうやって構成されているのか

電気代の計算方法は契約形態により異なりますが、基本となる電気料金の計算方法は、基本料金・電力量料金・再エネ賦課金の大きく分けて3つの要素をもとに試算されます。

基本料金は、契約容量に応じて決定され毎月一定の金額がかかってきます。家庭に用いられる低圧電力の場合はA(アンペア)で表されることが多く、企業などに用いられる高圧電力の場合はkWで表されます。

電力量料金は、使用電力に応じて変化する金額で、従量料金(kWh)×料金単価(円)によって計算されます。

再エネ賦課金とは、再生可能エネルギー固定価格買取制度によって発生した費用を、電気を利用する全員で負担するものです。使用した電力量に合わせて再エネ賦課金単価を加えた金額が、再エネ賦課金となります。再エネ賦課金は年々高騰を続け、2023年度は一時落ち着きましたが、2024年は再び値上がりし、史上最高値の3.49円/kWhを記録しました。

電気代の補助事業が復活する見込みはある

従来の「電気・ガス価格激変緩和事業」の施行当初は半年の補助期間を計画していましたが、最終的には約1年半の補助期間となりました。今回、終了した酷暑乗り切り緊急支援は予定通りの10月使用分での終了となりました。

当初の計画通り幕を閉じた今回の補助事業ですが、再度施行される可能性があります。

総合経済対策に対して提言があった

2024年11月に、政府が策定する新たな総合経済対策に盛り込む内容に対して、与党内から
物価高対策の一環として「電気・ガス料金、ガソリンなどの燃料費への支援を継続」といった内容が盛り込まれた提言がされました。

公明、総合経済対策で首相に提言 | ニュース | 公明党

こうした提言があったことから支援事業が再開される可能性もあります。補助事業が再開されるのか、再開時期や支援金額については不明なところが多いですが、1つの目安としてエアコンの使用頻度が増える冬から再開される可能性もあります。

前回の補助事業は物価高を背景に施行されている

2024年8、9、10月の使用分の補助を行っていた酷暑乗り切り緊急支援は、物価高を背景に施行されました。物価高が続いている背景を鑑みると再び施行される可能性も考えられます。

当初は高騰する電気・ガス料金の値上がりを緩和が目的だった
電気・ガス価格激変緩和事業の背景には、2022年2月から始まったロシアのウクライナ侵攻があります。
ロシアは、LNGの輸出量で世界1位、原油や石炭も世界トップ3に入るほどの資源大国です。しかし、ウクライナ侵攻をきっかけに諸外国から経済制裁を受け、輸出を制限されました。その影響により、供給量が減少して価格が高騰する事態まで発展しました。

エネルギー価格の高騰や、円安の進行により、電気・ガスといった光熱費の値上げにつながり、国民生活や企業の事業活動に大きな影響を及ぼすなどの経済的な悪影響が危惧されます。こうした状況に対する負担軽減を目的として電気・ガス価格激変緩和事業が発表されました。

こうした支援を続けていく中で、燃料価格は2022年後半から値下がりを始めウクライナ侵攻前と同程度に低下した状況を踏まえ5月を持って終了しました。

なぜ電気代は不安定なのか

電気代は、2021年末に卸電力市場の高騰による値上がり、2022年度は円安や燃料価格により電気代が影響を受けて、国が補助金を出す事態にまで発展しました。
なぜ、電気代は不安定なのでしょうか。
その理由は日本のエネルギー構造にあります。

以下のグラフは2022年度の日本の電源構成を表しています。

日本の電源構成のうち、約7割が火力発電(天然ガス・石炭・石油)に依存しています。この火力発電の燃料となる天然ガス・石炭・石油の9割以上を海外からの輸入に頼っています。
こうしたエネルギー構造から、世界情勢による燃料価格の高騰や為替市場の影響が電気代に転嫁される状態となっています。そのほかにも再エネ拡大に向けた固定価格買取制度の影響による再エネ賦課金も電気代の値上がり要素の1つと言えます。

まとめ

酷暑乗り切り緊急支援は10月使用分をもって終了となります。現在、補助事業が再開される見込みは立っていませんが、長引く物価高を踏まえて再開される見込みもあります。

また、電気代の変動リスクの根本的なエネルギー構造の解決に向けた施策も今後増えていくことが予想されます。既に長期脱炭素電源オークションが開始されていたり、脱炭素の実現とエネルギー構造の転換に向けた制度が進行し、脱炭素はより一層加速していきます。

企業においても脱炭素の一歩として、電気の再エネ化があります。自社の屋根や敷地内に太陽光発電を設置して、発電した電力を自社で使用することで、電気代の削減に加えて再生可能エネルギーを得ることができます。脱炭素に取り組むことが、企業の経営課題と捉える企業も増加しており、取引先からの要望や、企業の社会的責任として脱炭素に取り組むことで優位性の獲得につながります。
こちらのページでは、電気の再エネ化に貢献する太陽光発電の導入費用を、簡単にシミュレーションすることができます。電話番号の入力は不要ですので、まずは費用感を知りたいなど、情報収集の1つにいかがでしょうか。

以下では、電気代を削減に役立つハンドブックをダウンロードいただけます。電気代が上がる原因、高騰する電気代に対して取れる対策手法などがまとまった資料となります。ぜひお手にとってご参照ください。

Trending Now
|
電力補助金が12月で終了!その影響と復旧の見込みは?
毎月の電気料金の請求に直面したとき、家計への負担を減らすにはどうすればいいのだろう?

電気代の補助が10月で終了!どれくらい影響があるのか、復活の見込みはあるのか

ロシアのウクライナ侵攻の影響で燃料価格の高騰に端を発した「電気代の補助事業」がついに終了しました。2023年1月の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に始まり、今年の5月から「酷暑乗り切り緊急支援」として電気料金の補助を続けてきました。
その補助事業が2024年10月使用分を最後に支援事業を終了しました。
約2年ほど続けてきた電気代・ガス代の補助事業がついに終了した影響と今後復活の見通しについて解説します。


酷暑乗り切り緊急支援の導入背景について

酷暑乗り切り緊急支援とは、物価水準が高止まりする中で、家庭や企業を支援する経済対策のうちの1つで、電気代と都市ガス料金を補助する施策です。

契約プランに関わらず、特別高圧契約を除くすべての利用者が値引きを受けることができ、電力会社と契約していれば、法人、個人問わず低圧から高圧受電まで契約している方が使用量に応じて値引きを受けることができました。

電気代はどれくらい補助されていたのか

2024年8月、9月の使用分は、主に家庭向けの低圧電力で契約されている場合、支援金額は1kWhあたり4.0円。主に企業向けの高圧電力で契約されている場合は、1kWhあたり3.5円の補助金額となります。都市ガスは1m3あたり17.5円の補助金額となります。

2024年10月使用分は、主に家庭向けの低圧電力で契約されている場合、支援金額は1kWhあたり2.5円。主に企業向けの高圧電力で契約されている場合は、1kWhあたり1.3円の補助金額となります。都市ガスは1m3あたり10.0円の補助金額となります。

以下の表では、今までの「電気・ガス激変緩和事業」「酷暑乗り切り緊急支援策」での支援金額をまとめています。

値引き額については、ご契約のプランによっては、値引き金額が異なる場合があります。詳細については、各社HP等をご参照ください。

家計には◯,◯◯◯円の影響

電気代の補助がなくなったことで、家計にはどれくらいの影響があるのでしょうか?

各家庭や企業の値引き額は、それぞれの使用量によって異なります。詳細な金額については、月々のご利用明細や検針表などに記載されている「当該月の使用量(電気の場合はkWh、都市ガスの場合はm3)」と値引き単価を掛け算することで算出することができます。

日本における一般的な世帯構成別の月平均電気使用量の目安は以下の通りです。それぞれの世帯別平均使用量に応じた補助額についても併せて記載しています。

2024年8,9月使用分までの補助額

2024年10月使用分までの補助額

以上のように補助事業の終了による影響は、10月使用分と比べると1人暮らしでは500円前後、4人暮らしでは1000円程の負担額の増加が予想されます。

電気使用量は季節によっても変動します。特に夏や冬は冷暖房の使用により、1.1倍から1.4倍の範囲で変動することが多いです。常時エアコンを使用する場合は1.5倍以上になることもあります。

電気代の削減には、電力会社の切り替えが有効な対策の1つです。生活スタイルに合った電力会社を選ぶことが選定のポイントです。

電気代はどうやって構成されているのか

電気代の計算方法は契約形態により異なりますが、基本となる電気料金の計算方法は、基本料金・電力量料金・再エネ賦課金の大きく分けて3つの要素をもとに試算されます。

基本料金は、契約容量に応じて決定され毎月一定の金額がかかってきます。家庭に用いられる低圧電力の場合はA(アンペア)で表されることが多く、企業などに用いられる高圧電力の場合はkWで表されます。

電力量料金は、使用電力に応じて変化する金額で、従量料金(kWh)×料金単価(円)によって計算されます。

再エネ賦課金とは、再生可能エネルギー固定価格買取制度によって発生した費用を、電気を利用する全員で負担するものです。使用した電力量に合わせて再エネ賦課金単価を加えた金額が、再エネ賦課金となります。再エネ賦課金は年々高騰を続け、2023年度は一時落ち着きましたが、2024年は再び値上がりし、史上最高値の3.49円/kWhを記録しました。

電気代の補助事業が復活する見込みはある

従来の「電気・ガス価格激変緩和事業」の施行当初は半年の補助期間を計画していましたが、最終的には約1年半の補助期間となりました。今回、終了した酷暑乗り切り緊急支援は予定通りの10月使用分での終了となりました。

当初の計画通り幕を閉じた今回の補助事業ですが、再度施行される可能性があります。

総合経済対策に対して提言があった

2024年11月に、政府が策定する新たな総合経済対策に盛り込む内容に対して、与党内から
物価高対策の一環として「電気・ガス料金、ガソリンなどの燃料費への支援を継続」といった内容が盛り込まれた提言がされました。

公明、総合経済対策で首相に提言 | ニュース | 公明党

こうした提言があったことから支援事業が再開される可能性もあります。補助事業が再開されるのか、再開時期や支援金額については不明なところが多いですが、1つの目安としてエアコンの使用頻度が増える冬から再開される可能性もあります。

前回の補助事業は物価高を背景に施行されている

2024年8、9、10月の使用分の補助を行っていた酷暑乗り切り緊急支援は、物価高を背景に施行されました。物価高が続いている背景を鑑みると再び施行される可能性も考えられます。

当初は高騰する電気・ガス料金の値上がりを緩和が目的だった
電気・ガス価格激変緩和事業の背景には、2022年2月から始まったロシアのウクライナ侵攻があります。
ロシアは、LNGの輸出量で世界1位、原油や石炭も世界トップ3に入るほどの資源大国です。しかし、ウクライナ侵攻をきっかけに諸外国から経済制裁を受け、輸出を制限されました。その影響により、供給量が減少して価格が高騰する事態まで発展しました。

エネルギー価格の高騰や、円安の進行により、電気・ガスといった光熱費の値上げにつながり、国民生活や企業の事業活動に大きな影響を及ぼすなどの経済的な悪影響が危惧されます。こうした状況に対する負担軽減を目的として電気・ガス価格激変緩和事業が発表されました。

こうした支援を続けていく中で、燃料価格は2022年後半から値下がりを始めウクライナ侵攻前と同程度に低下した状況を踏まえ5月を持って終了しました。

なぜ電気代は不安定なのか

電気代は、2021年末に卸電力市場の高騰による値上がり、2022年度は円安や燃料価格により電気代が影響を受けて、国が補助金を出す事態にまで発展しました。
なぜ、電気代は不安定なのでしょうか。
その理由は日本のエネルギー構造にあります。

以下のグラフは2022年度の日本の電源構成を表しています。

日本の電源構成のうち、約7割が火力発電(天然ガス・石炭・石油)に依存しています。この火力発電の燃料となる天然ガス・石炭・石油の9割以上を海外からの輸入に頼っています。
こうしたエネルギー構造から、世界情勢による燃料価格の高騰や為替市場の影響が電気代に転嫁される状態となっています。そのほかにも再エネ拡大に向けた固定価格買取制度の影響による再エネ賦課金も電気代の値上がり要素の1つと言えます。

まとめ

酷暑乗り切り緊急支援は10月使用分をもって終了となります。現在、補助事業が再開される見込みは立っていませんが、長引く物価高を踏まえて再開される見込みもあります。

また、電気代の変動リスクの根本的なエネルギー構造の解決に向けた施策も今後増えていくことが予想されます。既に長期脱炭素電源オークションが開始されていたり、脱炭素の実現とエネルギー構造の転換に向けた制度が進行し、脱炭素はより一層加速していきます。

企業においても脱炭素の一歩として、電気の再エネ化があります。自社の屋根や敷地内に太陽光発電を設置して、発電した電力を自社で使用することで、電気代の削減に加えて再生可能エネルギーを得ることができます。脱炭素に取り組むことが、企業の経営課題と捉える企業も増加しており、取引先からの要望や、企業の社会的責任として脱炭素に取り組むことで優位性の獲得につながります。
こちらのページでは、電気の再エネ化に貢献する太陽光発電の導入費用を、簡単にシミュレーションすることができます。電話番号の入力は不要ですので、まずは費用感を知りたいなど、情報収集の1つにいかがでしょうか。

以下では、電気代を削減に役立つハンドブックをダウンロードいただけます。電気代が上がる原因、高騰する電気代に対して取れる対策手法などがまとまった資料となります。ぜひお手にとってご参照ください。

Trending Now