1. 婦人科腹腔鏡手術とは?
腹腔鏡手術は、お腹に小さな穴(5~12mm)を数か所開け、カメラ(腹腔鏡)と専用器具を挿入して行う手術です。開腹手術に比べて出血が少なく、術後の痛みが軽く、回復が早いことが特徴です。
🔹 腹腔鏡手術のメリット vs. 開腹手術
|
比較項目 |
腹腔鏡手術 |
開腹手術 |
|
傷の大きさ |
小さな穴(5~12mm) |
10~20cmの切開 |
|
術後の痛み |
軽い |
強い |
|
入院期間 |
2~5日程度 |
5~10日程度 |
|
社会復帰の早さ |
1~2週間 |
1~2か月 |
|
術後の癒着リスク |
低い |
比較的高い |

※腹腔鏡手術のイメージ図
2. 腹腔鏡手術が適応となる主な婦人科疾患
✅ 子宮筋腫(筋腫核出術 / 子宮全摘術)
→ 筋腫だけを切除する「筋腫核出術」、または子宮全体を摘出する「子宮全摘術」が可能。
✅ 卵巣嚢腫(卵巣嚢腫摘出術)
→ 良性の嚢腫(チョコレート嚢腫、皮様嚢腫など)を切除。卵巣を温存できる場合も。
✅ 子宮内膜症(腹腔鏡下手術)
→ 内膜症病巣を切除し、癒着をはがすことで痛みの改善や妊娠率向上が期待できる。
✅ 子宮外妊娠(卵管切除 / 卵管温存手術)
→ 早期発見時は卵管を温存できる可能性も。
✅ 不妊症(卵管形成術、癒着剥離術)
→ 卵管閉塞や骨盤内癒着を改善し、自然妊娠の可能性を高める。
✅ 婦人科がん(早期子宮体がん、子宮頸がんなど)
→ 条件が合えば腹腔鏡手術が可能(進行度によっては開腹手術が必要な場合も)。
3. 日本での腹腔鏡手術の費用相場(保険適用の場合)
|
手術の種類 |
自己負担額(3割負担) |
入院期間 |
|
子宮筋腫核出術 |
10~20万円 |
3~5日 |
|
子宮全摘術 |
15~25万円 |
4~7日 |
|
卵巣嚢腫摘出術 |
8~15万円 |
2~4日 |
|
子宮内膜症手術 |
10~20万円 |
3~5日 |
(※保険適用外の先進医療(ロボット支援手術など)は別途費用がかかる場合があります。)
4. 病院選びのポイント
🔸 経験豊富な医師が在籍しているか
→ 腹腔鏡手術の症例数が多い病院を選ぶ(「日本産科婦人科内視鏡学会」の認定医が目安)。
🔸 ロボット支援手術(ダヴィンチ)に対応しているか
→ より精密な手術が可能(ただし保険適用外で高額になる場合あり)。
🔸 術後のケアが充実しているか
→ 痛み管理、アフターケアの体制を確認。
🔸 アクセスの良さ
→ 術後の通院を考慮し、自宅や職場から通いやすい病院がおすすめ。
5. よくある質問(Q&A)
Q1. 腹腔鏡手術は誰でも受けられますか?
→ 病状や全身状態によって適応が異なります。肥満や既往症がある場合は、医師と相談が必要です。
Q2. 術後の痛みはどのくらい続きますか?
→ 個人差がありますが、2~3日で軽減することが多いです。痛み止めでコントロール可能です。
Q3. 手術後に妊娠できますか?
→ 子宮筋腫核出術や卵管手術後は妊娠可能な場合が多いですが、個別の状態によります。
Q4. 傷跡は残りますか?
→ 小さな傷跡は残りますが、目立ちにくいです。術後のケア(シリコーンシートなど)で軽減可能。
6. 成功事例:子宮筋腫による不妊症→腹腔鏡手術後、妊娠・出産
【患者プロフィール】
-
30歳女性、子宮筋腫(5cm)による月経過多と不妊に悩む
-
腹腔鏡下筋腫核出術を受ける(手術時間:2時間、入院:3日)
-
術後6か月で自然妊娠、無事に出産
「手術後は生理痛が軽くなり、1年以内に妊娠できました。傷もほとんど目立たず、仕事にも早く復帰できて良かったです」(患者さんの声)
7. まとめ
婦人科腹腔鏡手術は、体への負担が少なく、社会復帰が早いため、日本でも多くの女性に選ばれています。ただし、適応疾患や病院選びは慎重に行う必要があります。
「腹腔鏡手術を検討している方へ」
-
まずは婦人科で相談
-
症例数の多い病院を選ぶ
-
保険適用範囲や術後の生活について確認
この記事が、手術を考える方の参考になれば幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の治療効果を保証するものではありません。具体的な治療方針は必ず専門医とご相談ください。